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通信制高校卒業後の進路はどんな選択肢がある?大学・専門学校・就職の比較と学校選びの視点

#大学進学 #専門学校 #就職
この記事でわかること
  • 大学等進学・専門学校進学・就職、卒業後の進路の割合
  • 大学進学で使える3つの選抜方式と学校のサポート体制の違い
  • 専門学校・就職、それぞれの学校選びで確認したいポイント
  • 学校の進路指導体制を見極めるチェックリスト

通信制高校を検討し始めると、「卒業後の進路は本当に大丈夫なのか」という不安を感じる方もいるのではないでしょうか。通信制高校卒業後の進路は、大学・短大進学、専門学校進学、就職と全日制高校と同様に多様で、学校によって進学・就職の実績やサポート体制には差があります。

大切なのは「進路実績があるかどうか」だけでなく、自分に合った進路指導やサポート体制が用意されているかを確認することです。

進路指導の手厚さは、パンフレットの実績数字だけでは見えにくい部分でもあります。この記事では、進路タイプ別に選べる選択肢の整理から、学校選びで確認したい比較ポイント、説明会で使えるチェックリストまで解説します。

監修者

古岡 秀士(ふるおか ひでし)

古岡 秀士(ふるおか ひでし)

株式会社ユナイトプロジェクト代表取締役

教育評論家。青山学院大学会計大学院を経て、2016年に株式会社ユナイトプロジェクトを創業。全国1万以上の教室を掲載する学習塾検索サイト「塾シル!」を運営し、教育分野の情報発信や進路選択支援に携わる。「通信制高校コンパス」では、通信制高校に関する情報を正確かつわかりやすく届けることを大切にし、生徒や保護者が自分に合った進路を考えるための情報を届けています。

通信制高校卒業後の進路にはどんな選択肢がある?

通信制高校卒業後の進路は、全日制高校と基本的に変わらず、大学・短大進学、専門学校進学、就職の3つが主な柱です。「通信制だから選択肢が狭い」というのは誤解であり、実際にはどの高校を選ぶかによって進路実績やサポート内容に幅があります。

なお、障害などがあり障害福祉サービスの利用要件を満たす場合は、就労選択支援や就労移行支援などを利用して就労準備を進める選択肢もあります。

文部科学省「令和7年度学校基本調査」によると、通信制高校卒業者(令和6年度)の主な進路指標は次のとおりです。

進路タイプ卒業者に占める割合進学・就職にあたって知っておきたいこと
大学等進学約28.6%(大学・短期大学の本科・通信教育部、高等学校専攻科などを含む)出願条件を満たせば、一般選抜のほか総合型選抜・学校推薦型選抜も利用できる
専門学校進学約22.9%(専修学校専門課程)特定の職業に必要な知識・技術・資格などを学べる課程がある
就職約14.1%学校によっては、在学中からインターンシップや職業体験を行っている
その他の進路・状況約26.1%学校基本調査で進学・就職などの主要区分に当てはまらない人の割合。進路未決定者だけでなく、浪人・留学・資格取得の準備期間なども含まれる
※大学等進学率・専門学校進学率と就職者の割合は学校基本調査上の集計方法が異なり、就職者の割合には進学者等のうち就職している者も再掲として含まれるため、4つの割合を足しても100%になる内訳ではありません。

実際の進学・就職実績や進路指導の内容は学校によって異なるため、希望する進路に応じて各校の実績や支援体制を確認しましょう。

監修者 古岡
監修者 古岡

進路の選択肢自体は全日制と大きく変わりません。大事なのは「通信制だから」ではなく、志望する学校が実際にどんな進路実績を積んでいるかを具体的に見ることです。

【出典】
文部科学省「令和7年度学校基本調査」

大学・短大進学は受験対策の内容で学校を比較する

通信制高校から大学・短大へ進学する生徒も一定数おり、大学等進学率は約28.6%(文部科学省「令和7年度学校基本調査」)となっています。

通信制高校を卒業した場合も高等学校卒業者として大学入学資格があり、通信制課程であることだけを理由に一律に受験できなくなることはありません。

志望大学の出願条件や選抜方法を確認し、自分に合った学習環境や受験対策を選ぶことが大切です。ここでは大学進学を目指す際に押さえておきたいポイントを整理します。

大学進学の主なルート

大学進学の主な選抜方法には、一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜があります。学校推薦型選抜には公募制や指定校制などがあり、評価される内容や出願条件は大学・学校によって異なります。

選抜方法主な評価内容対策のポイント
一般選抜学力検査・小論文などを主な資料とし、大学によっては調査書や面接、本人が提出する資料などを組み合わせる志望大学の試験科目や配点に沿った学力を身につけられるか
総合型選抜志望理由書・活動報告書などの本人記載資料、面接などに加え、大学ごとに小論文や学力検査などを活用志望大学の評価項目やアドミッション・ポリシーに沿って準備できているか
学校推薦型選抜(公募制・指定校制)高等学校長の推薦、調査書を中心に、面接や大学ごとの学力評価など。指定校制は大学が指定した高校から推薦を受けて出願する方式出願条件や評定、校内選考の有無、指定校制の場合は推薦人数や対象大学・学部を確認できているか

選抜方法や評価内容は年度によって変更される場合があります。ここでは令和9年度大学入学者選抜実施要項をもとに整理しています。

いずれの選抜方法を目指す場合も、学校の受験対策の体制によって準備のしやすさが変わります。

学校の受験サポート体制を2つのタイプで比較する

通信制高校の大学受験サポートは学校やコースによって異なりますが、ここでは分かりやすく整理するために、次の2タイプに分けて紹介します。

タイプ特徴向いている人
受験対策コース設置型予備校提携や専門カリキュラムで学習を伴走学習計画を一緒に立ててほしい人
自学自習中心型学習時間の確保はしやすいが、教材選びや進捗管理は自分で行う自分のペースで計画的に進められる人

学校やコースによっては、比較的柔軟に学習時間を組み立てやすい通信制の特性を活かし、苦手科目の克服や資格試験対策に時間を充てられる点はメリットの一つです。

一方で、受験に必要な学力を独学に近い形で身につける必要がある学校もあるため、学習サポートの手厚さは学校ごとに事前に確認しておきたい部分です。

大学進学の準備で確認しておきたいポイント

学校説明会や個別相談では、次の項目を質問リストとして使うと確認漏れを防げます。

学習・受験対策の体制

個別指導やオンライン授業など、学習サポートの形式

小論文・面接対策など総合型選抜への対応状況

実績・推薦制度の情報

大学進学実績の推移(直近数年分を確認する)

指定校推薦の対象大学・学部、推薦人数、校内選考条件

大学との教育連携や提携制度の有無・内容

指定校推薦や大学との教育連携は、パンフレットの記載だけでは実態が分かりにくく、学校によって内容の差が大きい項目です。

志望大学がすでにある場合は、その大学への推薦実績や出願条件を個別相談で具体的に聞いておくと、入学後の進路のミスマッチを防ぎやすくなります。

監修者 古岡
監修者 古岡

大学進学は学校選びで準備のしやすさが変わります。受験対策コースの有無や指定校推薦の枠数など、パンフレットだけで判断せず具体的な数字を確認しましょう。

【出典】
文部科学省「令和7年度学校基本調査」
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」

専門学校進学は早めの情報収集が大切

専門学校は、特定の職業に必要な知識・技術・資格などを実践的に学びたい場合の進路の一つです。通信制高校在学中から興味のある分野を探究する時間を確保しやすいことも、専門学校進学を選ぶ生徒にとってのメリットの一つです。

専門学校(専修学校専門課程)への進学割合は約22.9%(文部科学省「令和7年度学校基本調査」)となっています。分野は幅広く、分野や学科によって資格・スキル面で重視される傾向が異なります。

分野資格・スキル面での特徴の例
美容美容師免許の取得を目指せる養成課程がある分野
医療事務民間資格の取得を目指す課程が組まれることがある分野
IT資格取得より実務スキル習得を重視する課程もある分野
デザインポートフォリオ制作や実習を取り入れた課程がある分野
調理調理師免許の取得を目指せる養成課程がある分野
※上記は分野ごとの一例であり、資格の種類やカリキュラムの内容は学校・学科によって異なります。

学校によっては、専門学校の情報提供や進路ガイダンスなど、早期に進路を具体化できるよう支援を行っている場合があります。

専門学校進学の準備で確認しておきたいポイント

学校説明会や個別相談では、次の項目を確認しておくと情報収集が進めやすくなります。

興味のある分野の専門学校情報を早めに集められるか

オープンキャンパス参加のサポートがあるか

資格取得支援や検定対策の授業があるか

情報収集を始めるタイミングそのものも、比較できる選択肢の幅を左右します。募集時期や定員の状況は学校・学科によって異なりますが、一般的な目安は次のとおりです。

情報収集のタイミング選べる選択肢注意点
早期(1〜2年生のうちから)気になる分野の学校を複数比較検討できるオープンキャンパスや説明会に参加する時間を確保しやすい
直前期(出願間際)出願可能な学校・学科が絞られる選考方法や出願書類の準備期間が短くなりやすい

上記はあくまで一般的な目安であり、募集人数や選考方法は学校・学科ごとに異なります。

監修者 古岡
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分野によって重視される資格やスキルは異なります。パンフレットの学科名だけで判断せず、実際のカリキュラムや資格取得実績まで見ると、進路のミスマッチを減らせます。

【出典】
文部科学省「令和7年度学校基本調査」

就職はキャリア教育・就職支援の内容を確認する

通信制高校卒業後に就職を選ぶ生徒も一定数おり、「通信制卒業だと就職が不利になるのでは」という不安を持つ保護者も少なくありません。

学校によっては、在学中からキャリア教育や就職支援を行っているところもあります。不安がある場合は、どのような就職準備や個別支援を受けられるかを確認しましょう。

就職者の雇用形態にも違いがあり、文部科学省「令和7年度学校基本調査における就職者のうち、無期雇用労働者が占める割合は次のとおりです。なお、就職希望者に対する内定率や就職成功率を示す数字ではありません。

課程卒業者に占める就職者の割合就職者のうち無期雇用労働者の割合※
通信制高校約14.1%約88.5%
全日制・定時制高校約13.7%約97.4%
※「就職者」は、学校基本調査における「卒業者に占める就職者」の定義に基づきます。自営業主等、無期雇用労働者、進学者等のうち就職している者、有期雇用労働者のうち雇用契約期間が1年以上かつフルタイム勤務相当の者を含みます。

就職者の割合そのものの差は0.4ポイントですが、雇用形態には差があるため、就職支援の内容とあわせて確認しておきたい点です。

就職支援で確認したいポイント

学校説明会や個別相談では、次の項目を確認しておくと支援体制の違いが見えやすくなります。

在学中の支援内容

キャリアガイダンスやビジネスマナー講座の有無

企業説明会やインターンシップの実施状況

履歴書の書き方や面接練習を始められる時期

実績・外部連携

ハローワークや地域の就労支援機関との連携

卒業後の就職先の業種・職種の傾向

資格取得支援と就職支援をセットで行っているか

監修者 古岡
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就職への不安は、学校の支援内容を具体的に確認することで和らげられます。面接練習や企業とのつながりが在学中いつから始まるかを聞いてみてください。

【出典】
文部科学省「令和7年度学校基本調査」

進路選択で確認しておきたい比較ポイント

進路のタイプによって、学校に求めるべきサポート内容は異なります。

ここでは大学進学・専門学校進学・就職の3パターンで比較しておきたいポイントを表にまとめました。学校説明会や個別相談の際にも、この観点を質問リストとして活用できます。

進路タイプ重視したいサポート確認すべき実績・情報
大学・短大進学学習指導・受験対策・小論文・面接対策大学等進学率・指定校推薦枠・合格実績の推移
専門学校進学分野別の情報提供・資格取得支援提携専門学校の有無・資格試験の合格実績
就職キャリア教育・面接・履歴書指導・企業とのつながり就職先の業種傾向・インターンシップの実施状況

各項目の詳しい確認ポイントは、それぞれの進路の章にあるチェックリストも参考にしてください。

説明会や個別相談では、次のような質問から具体的な情報を引き出せます。

  • 「受験対策コースの内容と、直近数年の大学合格実績を教えてください」
  • 「提携している専門学校はありますか。資格取得支援の内容も知りたいです」
  • 「在学中のキャリア教育の内容と、卒業生の就職先の傾向を教えてください」

いずれの進路であっても、卒業後の実績だけでなく「在学中にどのような準備ができるか」を具体的にイメージしておくことが、学校選びのミスマッチを防ぐポイントになります。

監修者 古岡
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この比較表は説明会での質問リストとして使うと効果的です。進路タイプごとに重視するポイントが違う点を意識して、事前に優先順位を整理しておきましょう。

進路指導・サポート体制を見極めるチェックリスト

通信制高校では、面談頻度や受験対策、就職支援、外部機関との連携など、進路指導の具体的な体制が学校によって異なります。

資料請求や学校説明会、個別相談の際には、次のチェックリストを参考に質問してみることをおすすめします。

日常の進路指導体制

担任やキャリアカウンセラーとの面談頻度はどのくらいか

進路希望調査やガイダンスはいつ頃から始まるか

実績・連携の開示状況

大学・専門学校・企業との連携実績はあるか

過去数年分の進路実績(人数・進学先・就職先の傾向)を開示しているか

該当する場合に確認したいこと

転入学・編入学の生徒に対しても同様の進路支援があるか

単位制・サポート校併用の場合、進路指導の窓口はどこになるか

これらの項目は、学校のパンフレットだけでは分かりにくい部分も多いため、実際に説明会や個別相談で担当者に質問し、比較検討することが大切です。

監修者 古岡
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転入・編入生への進路支援は学校差が大きい部分です。窓口がどこになるかを含め、個別相談で自分の状況に合わせて具体的に質問することをおすすめします。

よくある質問

通信制高校からでも国公立大学を目指せますか

通信制高校からでも国公立大学を目指せます。高等学校を卒業すれば大学入学資格が得られ、通信制課程であることを理由に受験が制限されることはありません。

学習環境や受験対策の体制は学校ごとに差があるため、志望校が明確な場合は、その学校の直近の合格実績や学習サポートの内容を具体的に確認することをおすすめします。

志望大学・学部ごとの出願要件は、各大学の募集要項でも必ず確認しましょう。

転入・編入した場合でも進路指導は受けられますか

転入・編入後も、在籍する学校の生徒として進路指導を受けられます。

ただし、入学時期や卒業までの期間によって面談の開始時期や受験・就職準備の進め方が異なる場合があるため、転入・編入前の相談時に進路サポートの内容を確認しておくと安心です。

就職か進学かまだ決めていない場合はどうすればよいですか

入学時点で進路が固まっていない場合でも、在学中に進路を検討していくことはできます。

学校によっては、在学中に複数回の進路ガイダンスや面談を通じて希望を整理していく仕組みを設けています。決めきれない段階でも相談できる体制があるかどうかを確認しておくとよいでしょう。

まとめ|進路は「学校の進路指導体制」まで見て判断する

通信制高校卒業後の進路は、全日制高校と同じように幅広く開かれています。大切なのは、進路実績の数字そのものより、志望する進路に向けて学校がどんな指導体制を用意しているかです。

  • 進路の広がり:大学・短大進学、専門学校進学、就職に加え、進路未決定や浪人・留学などを含む層も一定数いる
  • 大学進学:一般選抜だけでなく総合型選抜・学校推薦型選抜もあり、学校の受験サポート体制によって準備のしやすさが変わる
  • 専門学校進学:分野ごとに重視される資格やスキルが異なるため、早めの情報収集が選べる選択肢の幅を左右する
  • 就職:卒業者に占める割合は全日制・定時制と大きくは変わらないが、雇用形態や在学中の支援内容には学校差がある
  • 学校選びの視点:進路タイプ別の確認ポイントに加え、面談頻度や実績の開示姿勢など、学校全体の進路指導体制も見ておく

「通信制だからこの進路は難しいのでは」と一律に考える前に、学校説明会や個別相談で進路指導の具体的な中身を確認することが、通信制高校卒業後の進路選びを後悔しないものにする一歩になります。

本記事に掲載している情報は、記事執筆時点のものです。日程・費用・制度などは変更される場合があります。最新情報は、各学校・自治体の公式サイト等でご確認ください。

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