STORY
息子が学校へ行かなくなっても、勉強したい気持ちまでなくなったわけではありませんでした。そこで私が探したのが、学校の時間帯に個別で教えてくれる塾です。一件ずつ問い合わせ、最終的にかかった費用は月20万円。家計には重い金額でした。それでも当時の私が欲しかったのは、成績を上げるための特別授業だけではありません。朝起きて家を出て、勉強し、誰かと過ごす。「学校の代わりになる場所」を何とか作りたいと思っていました。
この記事について
この記事は、ママスタコミュニティの投稿者による実体験を参考に制作したフィクションです。登場人物や出来事、会話、時系列などは読み物として再構成しており、特定の一人の投稿者の体験を再現したものではありません。
月20万円でも「学校の代わりになる場所」を作りたかった
息子が不登校になったとき、家で休ませることにはそれほど迷いませんでした。
困ったのは、その先です。
学校には行けなくても、息子には勉強したい気持ちがありました。
だからこそ、一日中家にいる生活をこのまま続けていいのか、私は考えるようになりました。
「昼間に塾へ通う」という選択肢
普通の塾は、学校が終わったあとの時間に始まります。
でも息子に必要なのは、夕方から数時間だけ勉強することではありませんでした。
学校へ行っていた時間そのものに、代わりになる場所がほしいと思ったのです。
そこで個別指導の塾を探し、一件ずつ電話をしました。
お願いしたかったのは、特別な受験指導ではありません。
まずは学校で進むくらいのペースで、昼間に勉強を見てもらうことでした。
簡単に見つかるとは思っていませんでした。
それでも、このまま何もせず時間だけが過ぎるより、一度聞いてみようという気持ちでした。
毎月20万円。安いとは思わなかった
お願いする授業が増えれば、当然費用もかかります。
我が家の場合、塾代は月20万円ほどになりました。
決して軽い金額ではありません。私自身、負担は感じていました。
「そこまでお金をかける必要があるのか」と迷わなかったわけでもありません。
ただ、そのころの私は普通の塾代とは少し違うものとして考えていました。
息子が通えなくなった学校で過ごしていた時間を、別の形で作るためのお金でした。
勉強だけなら、家で教材を使う方法もあったと思います。
それでも私が外へ通う場所にこだわったのは、
生活そのものが家の中だけで完結してしまうことが心配だったからです。
勉強する場所が、家以外の居場所にもなる
塾へ行けば、ずっと机に向かっているわけではありませんでした。
先生と昼食をとったり、ちょっとした用事を一緒に済ませたりすることもありました。
最初に私が求めていたのは「学校の代わりに勉強を教えてくれる場所」でしたが、息子にとっては、それだけではなかったようです。
家族以外の大人と話す。
決まった時間に外へ出る。
家とは違う場所で昼間を過ごす。
学校へ行っていた頃には当たり前だったことを、別の形で少しずつ取り戻していました。
それを見て、私は月謝を成績だけで判断しなくなりました。
「学校の代わり」に払っているつもりだった
もちろん、月20万円という方法を誰にでも勧められるとは思いません。
当時の私も、安いから選んだわけではありませんでした。
息子が不登校になり、この先どうなるのかわからない中で、
「今できそうなことがあるなら試したい」
という気持ちのほうが強かったのです。
高いお金を払えば、不登校が解決するわけでもありません。
それでも我が家にとっては、
昼間に家を出る理由ができ、
勉強する時間ができ、
家以外で過ごせる場所ができました。
あのころ私が探していたのは、成績を上げてくれる塾というより、
学校へ行けない息子が次へ進むまでの時間を過ごせる場所だったのだと思います。
編集部の視点:塾に求める役割によって、費用の捉え方は変わる
今回の体験では、個別指導に月20万円ほどかかっていました。決して小さな負担ではありませんが、家庭が塾に求めていたのは、成績を上げることだけではありませんでした。
昼間に家を出るきっかけをつくること、勉強する時間を確保すること、家族以外の人と関わること。学校に通えない間の「居場所」としての役割も含めて、塾を利用していました。
塾にかかる費用を考えるときは、金額だけで高い・安いと判断するのではなく、本人にとってどのような役割を果たしているのか、家庭が何を求めているのかまで含めて考えることが大切です。






