STORY
中学1年生の子どもが学校を休み始めたとき、私は原因を「勉強」だと考えていました。勉強が嫌いで遅れもあり、塾を勧めても拒否される。それなら話は単純だと思っていたのです。ところが、休みが続くなかで友人関係や本人の性格を振り返ると、勉強だけでは説明できないことが見えてきました。理由がわかれば対策できる。そう焦って答えを探していた私が、「本人にもわからないことがある」と受け止め、原因を一つに決めなくなるまでの体験です。
この記事について
この記事は、ママスタコミュニティの投稿者による実体験を参考に制作したフィクションです。登場人物や出来事、会話、時系列などは読み物として再構成しており、特定の一人の投稿者の体験を再現したものではありません。
学校を休み始めたとき、私の中にはすぐ答えがありました。
勉強についていけないから。
勉強が嫌いだから。
だから学校へ行きたくないのだと思っていたのです。
休むのは勉強が嫌だから
もともと子どもは勉強が好きではありませんでした。
塾にも通っておらず、
中学に入ってからは少しずつ遅れが気になるようになりました。
私が塾を勧めても、本人は勉強したくないと言うばかり。
苦手なことから距離を取りたいのだろうと思っていました。
そのため、学校を休み始めても、私の考えはあまり揺れませんでした。
「原因は勉強」。
そう決めてしまえば、やるべきことも見えやすかったからです。
勉強をやり直せばいい。
塾に行けばいい。
遅れを取り戻せば、また学校へ行けるかもしれない。
けれど、本人にはその気がない。
私は次第に、勉強させる方法ばかり考えるようになっていました。
「友達グループを抜けた」ことが引っかかった
あるとき、友達のことを振り返っていて、
子どもがそれまでいたグループから離れていたことが気になりました。
中学は、小学校までとは人間関係が変わります。
入学したばかりのころは新鮮だったようで、友達もできていました。
ところが時間がたつと、
合う人、合わない人が少しずつ見えてきたようでした。
子どもはもともと控えめなほうです。
人とのやり取りが得意なタイプでもありません。
だからといって、友人関係が原因だと言い切れる出来事があったわけではありません。
それでも私は初めて、
「勉強だけではないのかもしれない」と思いました。
そう考えると、今まで原因だと思っていたものが、急に一つの要素に見えてきました。
入学直後は楽しそうだったのに
余計にわからなくなったのは、
中学生活が最初から嫌だったわけではなさそうだったことです。
新しい友達ができ、学校生活を送っていた時期もあります。
それが少しずつ休むようになった。
はっきりした出来事があれば理解しやすいのに、
私には境目がわかりませんでした。
「何が嫌なの?」と聞けば答えが出ると思っていた時期もあります。
でも、本人の中でも説明できないことがあるのかもしれません。
勉強がつらい。
友達との距離感も疲れる。
朝になると行きたくなくなる。
そのどれか一つが原因というより、
いくつかのことが重なっている可能性もある。
最初の私は、原因さえ突き止めれば元に戻せるような気持ちでいました。
でも、原因探しを続けるほど本人を追い詰めることもあるのではないかと考えるようになりました。
原因をひとつに決めない
学校を休み始めてから1カ月ほどで、
私の見方は少し変わりました。
勉強は今でも大きな問題だと思っています。
だからといって、
「勉強ができないから学校へ行けない」と
一本に結びつけるのはやめました。
本人が自分でも理由を整理できていないなら、
親が先に答えを作っても仕方がありません。
友達のことも、
勉強のことも、
その日の気分も、
話せるときに少しずつ聞けばいい。
今も「本当の原因は何だろう」と思うことはあります。
ただ、すぐに答えを出そうとはしなくなりました。
私が知りたい理由と、子どもが今困っていることは、同じとは限らない。
今は原因を当てることより、
本人の様子を見ながらそのとき困っていることを一つずつ考えるようにしています。
編集部の視点:学校に行けない理由は、一つとは限らない
参考にした投稿では、当初は勉強の遅れが学校を休む理由だと考えていた保護者が、友人関係や子どもの性格を振り返るなかで、考え方を変えていく様子が見られました。
本人にも、学校に行きづらい理由をうまく説明できない場合があることがうかがえます。
学校に行けない理由は、勉強や友人関係、学校生活での負担など、複数のことが重なっている可能性もあります。
保護者としては原因を知り、早く解決したいと思うかもしれませんが、一つの理由に決めつけると、本人が感じている別の困りごとを見落としてしまうこともあります。
大切なのは、無理に理由を聞き出すことよりも、本人が話せるときに気持ちを聞き、今どのようなことに困っているのかを一緒に考えることです。
家庭だけで抱え込まず、必要に応じて学校の先生やスクールカウンセラーなどに相談することも選択肢になります。原因がはっきりしなくても、できることから少しずつ考えていくことはできます。






