STORY
通信制高校へ進んだ息子には、全日制のように朝から夕方まで学校で過ごさない日があります。最初の私は、その空いた時間を見て「学校に行かない分、何かさせなければ」と焦っていました。ところが息子は、必要なレポートを進めながら、興味のあるITや数学を学び、アルバイトにも挑戦。高校の時間割にすべてを合わせないからこそ、自分が頑張れるものに時間を使う生活が少しずつできていきました。
この記事について
この記事は、ママスタコミュニティの投稿者による実体験を参考に制作したフィクションです。登場人物や出来事、会話、時系列などは読み物として再構成しており、特定の一人の投稿者の体験を再現したものではありません。
通信制高校に入ったばかりのころ、息子が学校へ行かない平日を見ると、私は落ち着きませんでした。
全日制なら授業を受けている時間なのに、家にいる。
朝から出かける日もあれば、午後までゆっくりしている日もあります。
通信制を選んだ以上、そういう生活になることは分かっていたはずなのに、
「この時間を何かに使わなくていいのだろうか」と考えていました。
「空いている時間」が気になって仕方なかった
息子の学校は、毎日同じ時間割で通う形ではありませんでした。必修以外は自分で履修を組み、週によって登校する回数も変わります。
私は最初、学校へ行く日が少ないことばかり気にしていました。
時間があるならもっと勉強したらいい。
資格でも取ればいい。
アルバイトをしてもいい。
何もしない日があるともったいない。
そんなふうに、空いた時間を全部予定で埋めたくなっていたのです。
けれど息子自身は、私ほど焦っていませんでした。
学校に行った日はレポートを進め、提出するものはなるべくため込まない。そのうえで、自分が興味を持ったことには意外なくらい集中していました。
学校の授業より、ITと数学には力が入る
息子が選んだのは、通常の授業に加えて受けられるITと大学進学向けの数学でした。
何でも一生懸命取り組むタイプではありません。
興味の薄いことにはなかなか動かないのに、好きな分野になると自分から調べます。数学の検定にも取り組み、ITの知識も少しずつ増えていきました。
私はそれまで、「高校生なのだから、まず学校生活をきちんとこなしてほしい」と考えていました。
でも息子を見ているうちに、全部を同じ熱量で頑張らせるより、本人が力を入れられるものを伸ばすほうが合っているのかもしれないと思うようになりました。
レポートや登校を放り出しているわけではありません。
必要なことはやる。そのうえで残った時間を、自分が頑張れるものに使っていました。
学校がない日は、アルバイトや教習所へ
しばらくすると、登校しない日の過ごし方も変わってきました。
朝からアルバイトへ行く日ができ、さらに自動車教習所にも通い始めました。
もちろん、家でゴロゴロしている日もあります。毎日を有意義に過ごしているわけではありません。
それでも私は、「今日は学校に行っていない」という一点だけで一日を見なくなりました。
高校へ行く時間が少ないからこそ、学校以外の経験を入れやすい。全日制と同じ形ではないけれど、息子なりの高校生活はちゃんと進んでいました。
以前の私は、通信制の自由さを「何もしなくなるかもしれない時間」として見ていたのだと思います。
好きなことを続けた先に、大学が見えてきた
高校生活の後半には、息子は理系の大学を意識するようになりました。
登校やレポートをこなしながら、数学やITなど自分の得意な分野を続け、最終的には指定校推薦で大学へ進むことになりました。
息子が通信制に入学したころの私は、まず高校生活をどう続けるかで頭がいっぱいでした。
大学まで考える余裕はほとんどありませんでした。
今振り返ると、通信制だから何か特別なことができたというより、息子の場合は「全部を同じように頑張らなくてもいい時間割」が合っていたのだと思います。
学校にいない時間を見て、私が先回りして埋めなくてもよかった。必要なことを続けながら、本人が力を入れられるものが見つかれば、そこから次の進路につながることもあるのだと知りました。






